“日本は妖怪すら礼儀正しい” 口裂け女、トイレの花子さん…海外で話題

 迷信や伝承には国や地域の文化が反映される。海外メディアが言霊、河童伝説を始めとする日本の伝承を分析した。

【日本言語に宿る力】
 『OUPblog』では、言霊信仰を取り上げている。自然創造、現象のすべてを崇拝する日本古来の神道に基づいており、純粋な日本語には神聖な力が宿るという考えだ。第二次世界大戦時に、政府は言霊とともに日本の国体を紹介することにより、純粋で伝統的な日本語を国民の団結力、社会的美徳とした。漢字の使用は禁止されなかった一方、西洋からの言葉は「敵性後」として厳しく禁じられ、横文字は漢字の言葉に訂正された。

 言霊の理念は外来語に反して日本言語の純粋さを目指すものであることは変わらないものの、グローバル化、多様化の進む現在の日本では文化的、社会的アイデンティティーと結びついているようだ、と『OUPblog』は分析する。日本社会の多様化は単語の多様化も進めており、日本社会は言語的、文化的アイデンティティーへの不安定さを感じているという。

 言霊の定義は時代とともに変化している。日本人がいまだに言葉の力を信じているかどうかは疑問だが、言霊という言葉を通して言語の純粋さが日本人の心に根付いていることは確かだと結論づけた。

【河童伝説と都市伝説】
 『International Business Time』によると、河童伝説はオオサンショウウオとのつながりを指摘する声がある一方、本当にいると信じる見方もある。宮崎の都城島津家では現在、河童の骨が展示されているという。多くの骨が見つかっているが、創作である可能性もありいまだに実在するかどうかわからない生き物である。

 『Cracked』では8つの都市伝説を取り上げた。8位は、溺れている女性を助けようとすると女性の体が蛇で、巻きつかれて食べられてしまうという「濡女」だ。次にJR北海道の石北本線にある常紋トンネルで見つかった人柱の人骨を上げている。小学校のトイレにまつわる「トイレの花子さん」、恐ろしすぎて聞いた者は死んでしまうという言われ故、話の内容は伝わっていない怪談「牛の首」。その他、「がしゃどくろ」、「赤マント」、「てけてけ」、「口裂け女」など、一度は耳にしたことがある都市伝説の妖怪が上げられている。

【日本の都市伝説に対する海外の反応】
 『Cracked』の妖怪ランキングには、海外読者から多くのコメントが寄せられた。

・てけてけは怖くない。くだらなくて滑稽なだけ。
・怖い話に慣れようと思って記事を読んだが、特にてけてけなんて怖すぎる。
・口裂け女は「きれい」と答えると口を同じように切られると聞いた。今はすぐに病院に行けば、傷は残っても失血死することはないのではないか。
・西洋の怪物やお化けは男性的でコントロールしようがないが、東洋では女性的な妖怪が、優雅につけてきて魅了させ、驚かせてから虐殺する。

また、「妖怪はどうしていつも殺す前に質問するのか」という投稿に対しては、「日本では妖怪ですら礼儀正しいから」との意見が寄せられていた。

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Text by NewSphere 編集部