「オフィスで昼寝」は良いコトずくめ ナイキやグーグル、日本企業も導入…海外紙が推奨

 経済協力開発機構(OECD)によれば、日本人の睡眠時間は平均7時間43分。調査対象26ヶ国の平均より30分以上少なく、韓国に次いで、世界で2番目に睡眠が短い国らしい。

 そんな日本で、職場で昼寝を許可する会社が増えているという(シドニー・モーニング・ヘラルド紙)。厚生労働省も、「午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的」と推奨。その効果が注目されている。

【効率アップに貢献】
 同紙は、「デスクにまくら。日本で『オフィス・シエスタ(午睡)』開始」と見出しをつけ、昼寝を奨める会社を紹介している。

 埼玉県のリフォーム会社では2年前に昼寝制度を導入。社員は昼寝をするのに届出の必要はなく、眠くなればいつでも、15~20分仮眠を取ることができる。経理部で働く社員は「眠いときに電卓を打つと、結局2回同じことをやる羽目になり、時間がかかる。昼寝で仕事がはかどる」とポジティブだ。

 大阪のITサービス企業も、午後30分間の昼寝を推奨。社長は、「迅速・的確に物事を決められない、いいアイデアが浮かばない場合は、だいたい眠いとき」とし、昼寝をすればすっきり効率よく働けると述べている。

【チャーチルも午睡派だった】
 ワシントン・ポスト紙は、「会社で昼寝」に否定的な多くのアメリカ人に対し、昼寝の素晴らしさを以下のように説いている。

・昼寝は体をリフレッシュさせ、気分を良くし、生産性を高める。疲労により、年間180億ドルの経済的損失が発生している。

・2007年の研究で、昼寝をする人が心臓病で死亡する確率はしない人より30%低いとされた。昼寝は血圧を下げる効果も持つという。

・ウィンストン・チャーチルは、第二次大戦中、自国が爆撃されている間も昼寝をし、英国を勝利に導いた。いびきをかきつつヒットラーに勝ったのだから、我々も仕事の手を休め、昼寝をしても大丈夫。

・アメリカ人は年間平均1092ドルをコーヒーに費やす。カフェインを摂取すると視覚、運動筋肉、言葉の3つの能力は低下する。昼寝はこれらの能力を向上させる。

 また、ナイキやグーグル等の先進的な会社は、快眠マシンを導入して、昼寝を推奨しているとのこと。

【寝るのも難しい】
 ニュースサイト『Mashable』 は、「職場で昼寝をやってのける10のヒント」を、笑いを交えて紹介している。

1.昼寝の必要性に説得力を持たせる。
2.同僚を味方に付ける。
3.素早く起きる技を身に付ける。
4.他人がヤバいと思うぐらい眠気をアピール。
5.自分のクリエイティブさには必要だと主張。
6.昼寝が許される職場を探す。
7.職場全体に、寝るよう説得。
8.寝る前に敵がいないことを確認。
9.寝ていても起きてるかのように見せる。
10.告げ口されないよう、寝顔はかわいく。

 昼寝は、仕事の生産性がアップし、健康にも良い影響があり、コーヒー代も節約できる(かもしれない)、と、良いことずくめといえる。とはいえ、怠けていると勘違いされないように、周囲を味方につけてうまく眠ることも重要だ。

仕事も勉強もはかどる 15分間昼寝術 [amazon]

Text by NewSphere 編集部