甲州ワイン、イギリスに初の本格進出 “さわやかで香り高い”と現地メディア評価

 イギリスの大手スーパー、マークス・アンド・スペンサーが、日本産の白ワイン『ソルルケト甲州』の販売を開始した。同ワインは、山梨県のワインメーカー、くらむぼんワインにより製造され、販売価格は12.99ポンド(約2200円)である。

 日本メーカーが、ワインの本場、欧州の小売り大手にワインを輸出するのは初の試みである。『ソルルケト甲州』の海外での評判はいかに?

【さわやかで軽く、デリケートかつフレッシュ、柑橘系のアローマ】
 甲州は、日本で古くから育てられてきたブドウであるが、ワイン用のブドウであるヨーロッパ系ブドウ品種、ヴィティス・ヴィニフェラに属する。甲州ワインについて、「さわやかでデリケート、香り高く、日本食にぴったり」とヨークシャー・ポスト紙は評価している。

 マークス・アンド・スペンサーで販売される『ソルルケト甲州』はどうだろうか。デイリー・メール紙のワイン・レビュアーは、「かすかなレモンのアローマ」で、「さわやかな軽い飲み心地」と評価している。このデリケートでフレッシュなワインに合う料理として、寿司や天ぷら、薄味のポテトチップを薦めている。

【ユニークだけど高い】
 甲州ワインに対する海外メディアの評判は上々のようだが、一般ユーザーの間では消極的なコメントが多く見られた。デイリー・メール紙には以下の様なコメントが寄せられた。

・日本のワインはひどい。甘すぎる
・寿司には緑茶か酒が合う。

 新参のワインとしては高めの価格も、ネックになっているようだ。スーパーの売れ筋は1000円以下であるが、『ソルルケト甲州』は約2200円である。日本料理店のワインリストにある様な甲州ワインは、1万円前後する。ソーシャルニュースサイト『レディット』には、以下の様なコメントが寄せられている。
 
・甲州は好きなワインだけど、少し高い。
・甲州は、とてもおいしいし、ユニークだ。でも高すぎる。

【日本産ワインの将来は】
 甲州ワインの将来は、価格を上げずに品質を向上させることにかかっている、と海外ワイン情報サイト『bbrblog』は指摘している。ブドウ栽培家達が最高品質のブドウを生食用として売るため、ワインメーカーが高品質のブドウを確保するのは困難を極める。夏の大雨など、気候も理想的ではない。また、大半の甲州ワインは加糖・加酸されているため、ヨーロッパの基準に反するものである。

 『ソルルケト甲州』は、現在マークス・アンド・スペンサーの70店舗で販売されているが、消費者の評価によっては、全店舗で販売される予定である。また、オンライン販売も間もなく開始される。

日本ワインガイド 純国産ワイナリーと造り手たち (純国産ワイナリーと造り手たち Vol. 1) [amazon]

Text by NewSphere 編集部