ハローキティは招き猫と似ている? 海外誌が日本と猫の不思議な関係を分析

 招き猫やハローキティなど、日本と猫は縁が深い。海外メディアは日本と猫との関わりから、猫の持つ不思議な力について報じている。

【日本と猫の関わり】
 ザ・アトランティック誌によると、日本には17世紀頃に猫が中国から伝わった。記録によると、17世紀日本では養蚕の蚕をネズミが食い荒らし、経済危機に直面していた。猫がネズミを駆除し、結果として経済危機を救ったのではないかと言われている。

 同じように江戸時代、養蚕産業に害を与えるネズミを駆除してくれることで猫が重宝された「猫の島」がある。宮城県石巻市からフェリーで40分の田代島だ。『Slate』によると、100人の島民と数百匹の猫が暮らしている。現在でも猫は幸運の象徴と信じられていて、島の真ん中には猫神社もある。

【日本の有名な猫たち】
 福を招くとされる招き猫は日本中で広く目にする。ザ・アトランティック誌によると、起源は江戸時代までさかのぼると考えられている。目は無表情だが、混とんとしていて予測不可能な人間の運勢を変える力は確かなものかもしれない、と論じた。

 招き猫と同じくらい有名な猫にハローキティがある。首輪こそないものの、無表情な目、宙に上げた手、白い、など招き猫との多くの共通点がある、とザ・アトランティック誌は指摘する。招き猫が運勢をつかさどると信じられているのに対し、キティは世界のおもちゃ市場をつかさどっている、とした。

【猫カフェ】
 ソーシャルネットワーク『Care2』は、“猫カフェがついにアメリカ上陸”の見出しで報じている。同サイトによると、最初の猫カフェは1998年台湾にオープンした。都会生活に疲れた若者が、一日の終わりにお茶と膝の上の猫で癒される場所として人気を呼んだ。日本人観光客にも好評で、2004年には日本でも最初の猫カフェがオープン、現在東京には数十件もの猫カフェが並ぶ。

 “都会人は猫を飼えないが猫を可愛がる時間は欲しい”という考えは世界に広がり、韓国、マレーシア、タイやヨーロッパにも猫カフェが誕生した。イギリス、ロンドンの Dinah’s Cat Emporiumは、一部募金から開店資金を得た、と『Care 2』は報じている。2ヶ月で109000ポンド(1860万円)集まるという、人々の関心の高さがうかがえる

 アメリカでは、外食産業の規則のため実現は困難だった。ボストン、サンフランシスコでの企画が流れたが、一週間前にニューヨークに期間限定でオープンした。ペットフードメーカー、ピュリナワンが、地元の動物保護団体“North Shore Animal League”と協同してオープンに至った。

 ザ・アトランティック誌によると、研究者は動物の“かわいさ”の持つ力を解明しようとしている。猫カフェでは、猫をなでることによって都会の無機質な日常から離れて心の平安、友好、落ち着きを得ることができる。猫の置物だけでなく、生きている猫にも人間の生活の何かを変える、見失っているものを取り戻す不思議な力があるようだ、と結論づけた。

岩合光昭 島の猫 [amazon]

Text by NewSphere 編集部