米紙“食の都はパリではなく東京” 豊富な選択肢とコストパフォーマンスが高評価

 先月、米フード&ワイン誌が「東京が新しいパリである7つの理由」との見出しで、「アメリカ人はパリよりも東京を訪れるべきだ」との主張の記事を掲載した。同記事を受けて、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)の「ジャパン・リアルタイム」セクション(JRT)が「パリ vs. 東京」の読者投票を行った。

【読者投票の結果は「東京」】
 フード&ワイン誌が挙げる理由の多くは、コーヒー、ペストリー、レストラン、外食の値段など、食べ物に関する事柄である。この記事を受けて掲載されたJRTの5月1日付の記事では、パリから東京に異動したWSJの特派員がパリと東京の食文化の違いについて語っている。その概要は以下の通りだ。

・東京では、食べ物の質が高く選択肢も豊富。特にランチタイムには価格もお手頃。

・パリでは、飲食物そのものよりも、味わう時間や雰囲気を重視する。パリに関しては、特にコーヒーについて、外国人から過大評価されがち。

【投票した/しなかった読者のコメント】
 上記インタビュー記事に関連して行われた読者投票/アンケートについては、5月9日付記事でまとめられている。コメント欄での議論としては、「東京には良いハンバーガーがない」という意見に対して『マティーニバーガー』(新宿)と『ビーコン』(渋谷)の推薦があった。また、「東京では煙に邪魔されない食事を楽しむことができなかった」という主張も出たが、「喫煙ルーム/エリアがあって非喫煙者とは離れていた」という経験談を返す人もあった。

 JRTの読者投票に際して寄せられたコメントやツイートには以下のようなものがある。

・東京 – 東京以外のどこで、自動販売機で温かいお酒が買える?

・ロボットレストラン!

・(記事は)日本のセブンイレブンに言及するのを忘れているぞ。おそらく、そこらで手に入る最高の淹れ立てコーヒーで、たったの100円。

・東京は好き、だけど食べ物は大阪の方が好き!!

・どちらにも素晴らしい食べ物があるが、バラエティとコストパフォーマンス、サービスは東京の勝ちだ。パリの半額で、笑顔で、素早く、フレンドリーなサービスが受けられる。スーパーマーケットとデリについて比較しているのなら、フランスの勝ち。

・東京 – 食事。パリ – ドリンク!

・自分を両方に派遣してくれれば投票する。

・私のお気に入りの2つの場所をめぐって戦いが続いてる。

 5月9日時点では、東京が630票/89%強、パリは73票/10.4%を獲得している。日本関連のセクションにおける投票とはいえ、東京を推す票がかなり上回った。

【この傾向は以前から続いている】
 昨年のちょうど今頃、「ミシュランのガイドブックの星の数において東京が世界最多」という話題をブルームバーグ紙が報道しており、この記事には以下のような読者コメントがついている。

・何年も日本で暮らしているが、ここの食べ物の質とバラエティにはいつでも驚かされる。ほとんどお金がかからないような小さい質素な店でも、日本人の完璧主義が表れる。

・日本食についても、東京と大阪は美食の中心だ。東京で食べられるラーメンの種類だけでも圧倒的だ。

 また、掲示板『レディット』ではこの記事に関連して、日本での外食が安くて美味しいのは市場競争が激しいからであろうという議論が行われていた。日本の外食事情がアメリカ人を驚嘆させる状況は、どうやら何年も前からのことのようだ。

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Text by NewSphere 編集部