アヴリル・ラヴィーンの“J-POP風”新曲、海外で酷評 歌詞もダンスもいいとこなし

 ポップ・ロックの女王、アヴリル・ラヴィーンが22日に公開した新曲「ハローキティ」のミュージックビデオが大きな波紋をよんでいる。

 以前から「日本が大好き!」と公言してきた彼女が、特にお気に入りのハローキティを曲名につけたこの曲は、これまでのアヴリルのイメージからかけ離れたポップでカラフルな可愛らしいもの。本人の強い希望により、日本で撮影をした。構成や衣装、振り付けなども、細部まで自分自身でイメージを固めたという。

 多くの日本人が制作に加わっていたこともあり、日本のファンには嬉しい作品、と国内では紹介されている。しかし、体当たり的な挑戦も虚しいほどに、海外メディアからは酷評の嵐だ。

【痛々しい程にひどい】
 ツッコミどころ満載だとして、各紙ともこぞって批判的な記事をまとめている。

 まず、日本好きとはいうものの、その文化を捻じ曲げすぎだ、と米情報サイト『Bustle』は悲鳴をあげている。キャンディショップや新幹線、寿司など、安易なイメージが強調されている東京の描写が不自然だと指摘している。

 また、通常はダンスを披露しないアヴリルだが、今回のミュージックビデオでは中途半端な踊りの真似事をしている、と苛立ちを隠しきれないメディアも少なくなかった。フェイクのカップケーキを意味もなく手にとってみたり、ちょっと腰や肩を振ってみたり、口パクが音楽と合っていなかったり…と、手を抜きすぎだと米音楽業界誌ビルボードは批判。全身同じ格好をした日本人のバックダンサーたちも無表情すぎて気持ち悪い、とBustleは指摘している。

 極めつけは、頻繁に出てくる日本語のセリフだ。「みんな最高!」「ありがとう!」「か・か・か・か・かわいい!」などの軽すぎる言葉を連発しながら、ぴょんぴょんと飛び跳ねている彼女の姿は、もはや見ていられないと各紙は呆れ返っている様子だ。

【メディアが推測する玉砕の背景】
 「冗談だろう、アヴリル?!」「なにがあったんだ、アヴリル?!」と衝撃を隠しきれない報道の中には、懸命にその背景を推測しようとする記事もあった。中でも、結婚相手の影響と、30歳を目前にイメージの変化に迷っているという説が多かった。

 アヴリルは昨年、ロックバンド「ニッケルバック」のチャド・クルーガーと結婚したばかりだが、彼こそセンスがないと英デイリー・ミラーは言い放っている。「ハローキティ」は夫婦共同で作詞を行ったというが、内容が「キティ」「プリティ」などのただの繰り返しであったり、「Someone chuck a cupcake at me」などはもう意味不明だとビルボードは嘆いている。ハフィントン・ポスト(米国版)は、「チャドと結婚したことがアヴリルの最悪のミスだと思っていたのに…」といった記事をアップしている。

 2002年のデビューアルバムが世界的大ヒットとなった17歳の女王も、気がつけば29歳。三十路を目前に今までとは違ったアヴリルをアピールしたかったのかもしれない。

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Text by NewSphere 編集部