オーストラリアワインを楽しむチャンス?関税撤廃で値下げの可能性大?

 4月7日、安倍晋三首相と来日中のアボット豪首相は、交渉を進めていた日豪経済連携協定(EPA)に大筋合意した。

 日豪EPAにおいて、日本は、オーストラリアの羊毛、綿、羊肉、ビールに対する関税を撤廃する。また、牛肉、ワイン、チーズおよび海産物に対しては「優遇措置」を与える。一方、オーストラリアは、日本の車、電気製品、家庭電化製品に対する関税を撤廃する。

 オーストラリア産のワインに対する関税が撤廃されることから、日本の輸入ワイン勢力図に変化が起こると予想されている。

【日豪EPAはオーストラリアワインに追い風】
 日豪EPAにより、ボトルワイン(瓶詰されたワイン)、スパークリングワイン、そしてバルクワイン(瓶詰されていないワイン)に対する関税が、7年かけて撤廃される。オーストラリアのワイン業界は、ライバルであるチリのワインと競争しやすくなった、とオーストラリア放送協会による『ABCニュース』は指摘している。

 オーストラリアのワイン業者は、日豪EPAに期待をかけている。「チリが日本とEPAを結んだ際、オーストラリアワインの売上は3分の1まで減少し、大打撃を受けた。日豪EPAにより、過去に失った分を取り戻したい。」とニューサウスウェールズ州のワイン業者は語った。

 日豪EPA締結後、オーストラリアワインは、「価格、質、サービスにおいて、破格の競争力を持つようになる」、とワイン業界の有識者は同メディアに述べた。「日本におけるマーケットシェアは現在4%だが、すぐにチリのマーケットシェアである14%に追い付けるだろう。」

 日本のワインの消費量は増加傾向にあるとはいえ、1人当たりの年間消費量は3リットル弱である。フランスやイタリアなどの「ワイン伝統国」(40~50リットル/2009年)はもちろん、「新興国」の米国(8.9リットル)と比べてもかなり低い、とネットサイト『nippon.com』は指摘している。そんな中、市場のけん引役として、女性に期待が集まっている。

 【日本のワインの未来は女性がにぎる】
 今年2月、女性審査員のみによる国際ワインコンテスト「“Sakura” Japan Women’s Wine Awards」が都内で開催された。

 この画期的なコンテストを立ち上げ、審査員長を務めたのは、十勝ワインの生みの親である丸谷金保元池田町長の次女、田辺由美氏である。欧米では男性が購入するワインを決めるが、「日本でワインの購買層の中心となっているのは30代~50代の女性」と、田辺氏は指摘する。

 女性たちの活力をフルに生かして、業界全体の活性化とワインの消費増を実現し、ワイン文化が日常生活に根付くことを目指している、と『nippon.com』は報道している。

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Text by NewSphere 編集部