ヤギになって大暴れするPCゲーム、海外で大評判 “車をなめたら爆発した”

 ヤギがとうとう人間への逆襲を始めた。「スケープゴート」(贖罪のヤギ)という言葉が示すように、ヤギはこれまでずっと、人間の犠牲となってきた。もしも心行くまで人間に頭突きを食らわせることができたら――。そんなヤギの夢をかなえるかのようなゲームが、スウェーデンから誕生した。その名も『ゴート・シミュレーター』。

【ネットで火が付き、販売へ】
 『ゴート・シミュレーター』を開発したのは「Coffee Stain Studios」。同社のブログによると、もともと製品としてリリースする予定はなく、開発ツールへの習熟などが目的の習作だった。映像をネットで公開したところ、あまりのシュールさから、あっという間に人気に火が付いた。閲覧数はたちまち200万を超え、リリースを望む声が数多く寄せられたそうだ。

 そしていよいよ4月1日、ゲーム・ダウンロード販売サイト「Steam」での販売が始まった。価格は9.99ドル。日付が日付だけに、テレグラフ紙は「エイプリルフールのジョークか、それとも史上最高のゲームか」とタイトルを付けて報じている(「史上最高のゲーム」=”the Greatest game Of All Time”、頭文字がGOATになる)。

【たまのバグはスパイスかもね】
 プレイヤーはヤギになって駆け回り、あらゆるものに頭突きして、町を破壊と混乱に陥れる。けれども、その様子は非常に滑稽である。オブジェクトの動きは物理演算されているが、派手に誇張されている。たとえば、ヤギが、ガソリンスタンドに停車中のタンクローリーに頭突きすると、タンクローリーは爆発し、その爆風でヤギは空高く吹き飛ばされる。そんなことがあっても、ヤギはピンピンしている。

 そして、このゲームの特色として、人が壁にめり込む、表示が崩れる、といったバグがあえて放置されているという。ゲーム情報サイト「IGN」によると、開発元は、これらのバグを修正しないと断言しているそうだ。おもしろいから、というのが理由だが、その判断は正しい、とIGNは評する。まるで、シリアスなオープンワールドゲームから、すべてのおもしろバグを集めた、バグのベスト盤のようだ、という。

「冗談のようなゲームだ。小さくて、あえて作り込まれておらず、バグも残されていて、ゲームデザインはシンプル。だから、本当に笑える冗談でよかった。物理演算のドタバタのユーモアだ」とIGNは言う。

 テレグラフ紙は、「とくに大したゲームというわけじゃない。不具合はあるし、壊れているし、まったくはちゃめちゃだ。だがそのはちゃめちゃさがおもしろい」と述べる。

【これからますます、はちゃめちゃさがパワーアップする予定】
 ゲームには、さまざまな仕掛けや遊べるアイテムが用意されている。背中に背負うジェットエンジンは、IGNのお気に入りで、それだけで数時間遊べる、と語るほどだ。ヤギをさまざまにカスタマイズすることもできる、とヴァージが紹介している。たとえば「背の高いヤギ」に「突然変異」させることが可能だが、それはどう見てもキリンである。この「突然変異」やマップなどは、ユーザーが開発し、MODとして追加することができる。Steamの投稿ページ「ワークショップ」では、すでにいくつか公開が始まっている。

 ユーザーからは、

・フェンス越しに車をなめたら、車が爆発した。
・ゲームというより、最高のおもちゃだ。
・友達と飲みながらプレイしたら笑えるだろうな。
・うちのカミさん、俺がプレイするところを、隣に座って1時間ぐらい見てたよ。楽しかった。
・オンライン複数人プレイをぜひ実装してほしい!

などのコメントが上がっていた。

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Text by NewSphere 編集部