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「明日、ママがいない」日本と海外で反応に温度差 その理由は?

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「明日、ママがいない」日本と海外で反応に温度差 その理由は?

 放送中のテレビドラマ「明日、ママがいない」が、世間をにぎわして早1ヶ月。このドラマに対する日本国内と海外の評価には、ズレがあるようだ。

【国内の批判】
 国内では、各方面で強烈な批判が繰り広げられ、番組のスポンサーが降板する事態にまで発展した。

 このドラマはフィクションだが、見る者に、実在する施設や問題点を想像させるだけの類似性と、ドラマを見て直接的にも、またはドラマを見た不特定多数からの偏見の助長という形で間接的にも、誰かを傷つける可能性などが主たる要因となって、物議をかもしている。

 さらに製作者側の、視聴率を狙ったように見える、事実とはかけ離れた誇張表現も非難の対象となっている。

【海外の反応】
 日本のこれらの反応に対し海外では、内容に多少大げさな部分はあっても、特に差別を際立たせるものではなく、日本の反応は極端すぎるとの意見が中心のようだ。

 AFP通信は、「聴衆による激しい批判は、日本では比較的珍しいことだ」と、日本の反応に驚きを示した。同様の内容を掲載した「LiveJournal」には、「苦難の中でアイデンティティを見つけていく良いドラマだ」、「ペットショップに例えた表現は誇張だと分かるし、フィクションだよ」など、あくまで現実とは異なる、良く出来た作り話と捉えるコメントが多く寄せられた。

 また一部には、「心底ばかばかしいドラマだし、スポンサーが降りて良かった」との意見もある。一方、「深刻に取りすぎず楽しめばいい。そうでなければチャンネルを変えればいい」とのコメントからうかがい知れるように、ドラマの内容に対して個人的な異論反論はあっても、放映そのものに対しての拒絶反応は少ない。

【異なる反応の背景にある社会通念】
 これらの国内外の異なる反応の裏には、それぞれが持つ社会通念の違いが関係しているのかもしれない。

 先に紹介したように、米国をはじめとした海外では、ドラマの内容に対する批判は、チャンネルの選択によって表現すればよいと考える傾向がある。

 また、孤児や養子に対する考え方にも隔たりがある。日本における養子縁組は、非常にセンシティブな問題といえるだろう。

 日本には、「特別養子縁組」という児童福祉を目的とする制度があるが、大きな成果を上げているとは言い難いのが現状だ。この制度が十分に活用されない背景には、養子を受け入れる側の基準が非常に厳しいこと、そして、実例が少ないことからくる、無知による偏見が多いことも一因だろう。

 一方欧米では、孤児の数も多いが、養子として家庭で育てられる児童の数も多い。さらに、児童福祉の考え方が「施設ではなく家庭で養育」へと変わりつつあり、養子の受け入れ基準も、さらに受け入れが進む方向へと変化してきている。

 また、日本国内の年間養子縁組数が400件程度であるのに対し、米国では、年間約5万人もの子どもたちが養子として家庭で養護されていることから、偏見や差別も比較的少なく、日本ほど過敏に反応する問題ではないという現実がある。

【タブーを議論することで、今後の児童福祉制度は変わるか?】
 今回のドラマ批判によって、これまで日本でタブーとされていた問題が人々の目にさらされ、議論される話題としての位置を確保した。良くも悪くも、養子縁組を含めた児童福祉のあり方に関心が集まっているのは事実である。

 また、日本と海外の反応とその背景の違いを理解することで、今後の制度見直しや社会通念の変化につなげられないだろうか? マイナス面ばかりが取りざたされる今回の騒動だが、プラス面を見出す方向へと議論が広がっていく可能性もあるだろう。

 ドラマの進行内容とともに、今後の議論の進む方向からも目が離せそうにない。

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(Newsphere編集部)

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