“ディズニープリンセス風下着”に海外から賛否両論 背景にある文化の違いとは?

 昨年末、通販大手ベルメゾンが、同社のディズニーファンタジーショップで発売した「プリンセスのドレスみたいなランジェリー」が、日本のディズニーファンのみならず、海外でも話題になっているようだ。

 一般公募のアイディアで商品化にいたった同商品(税込3,990円)は、シンデレラ(シンデレラ)、ベル(美女と野獣)、オーロラ姫(眠れる森の美女)、ラプンツェル(塔の上のラプンツェル)の4人をモチーフにしたもの。しかし、海外のネット上では賛否両論の議論が繰り広げられており、日本と海外における「プリンセス」や「下着」に対する概念の違いがうかがえる。

【日本人にはデリカシーがないのか?】
 アメリカのエンタメ・カルチャーサイト『uproxx.com』は、「アメリカのまっとうな人々はディズニーのプリンセスに対する憧れをひっそりと胸に抱いているのに、日本人はプリンセスの下着を作ってしまった」として、日本人にはデリカシーが欠けていると報じた。同サイトでは、ホラー映画「リング」以来のゾッとする気味の悪い商品だと酷評している。

 同商品を紹介するネットメディアのコメント欄やツイッター上でも、「ぎょっとした」「気味が悪い」「日本の知的財産権に対する意識は低いのか?」「ディズニーはすぐに販売を中止させるべき」などの批判が相次いでいる。同商品はディズニーとの正式な契約に基づくものだか、海外ではそれすらも信じられないような出来事のようだ。

【ファッションアイテムとしても子供だまし】
 さらに、女性向けサイト『Jezebel.com』では、子供たちの憧れのキャラクターがブラとパンティの下着セットに変身してしまったことに不快感を覚えるが、それ以上にファッションアイテムとして滑稽な点が多すぎるとしている。

 例えば(実物を見ていないものの)広告を見る限りでは、「素材が子供だましのチープな作りで、ディズニーの許可をとっていない不正品のようだ」、「個性が異なるプリンセスの特徴を表現できていない」、「ディズニー作品の中で代表的とも言える白雪姫やジャスミンのラインナップがないのはありえない」などと指摘している。

【冷静で「大人」な意見も】
 発売当初は厳しい批判が続いたものの、それに対抗する意見も出てきている。ファッションスナップを紹介する『handbag.com』は、気分が落ち込んでいるときに、プリンセス風の下着をつけていることで気持ちを持ち直せることだってある、と肯定的だ。プリンセスは子供だけの憧れではなく、大人であってもお姫様みたいにドレスアップしたい気持ちはあるもので、モラルを問われるほどではないとして、ネット上の批判が大げさだと反論している。

 また、米タブロイド紙ニューヨーク・ポストでは、ディズニーワールドのシンデレラ城で結婚式を挙げる人がいるのだから、プリンセスの下着が存在したって不思議ではないとして、幼少の頃の想いに色気を足しながら楽しめばいい、としている。

【日米の違いとは】
 読者投稿の中には「可愛い!」と絶賛する声の他、「娘もきっと喜ぶだろうからほしい」と投稿している男性もいる。ただし、もっと若い年代向けのものがないかとベルメゾンのサイトにアクセスしたところ、日本語のみで内容がさっぱり分からず断念したという。

 一部のネガティブな反応を考えると、海外では「プリンセス」はどちらかというと子供が楽しむものとされる認識が日本より強いのだろう。また、「下着」に関しても、大人向けにしてはこの商品はデザインが幼すぎたために思わぬ反響のもととなってしまったのかもしれない。

プリンセスのドレスみたいなランジェリー(ベルメゾン)

Text by NewSphere 編集部