最速新入幕の大砂嵐、海外メディアからも注目 相撲との衝撃の出会いを語る

 10日に初日を迎えた九州場所で新入幕を果たした初のエジプト人力士、大砂嵐。初土俵から所要10場所での昇進は、大関琴欧州らを抜き、外国人力士で最速となった。

 化粧まわしを贈った健康器具販売会社パックスの高野満彌社長からは、早速、最低でも10勝とのノルマを設定された。

 なお、大砂嵐は秋場所に、東十両4枚目で10勝5敗の好成績を挙げていた。

【本人、そして日本での評価】
 大砂嵐は、身長189cm、146kgの体躯。得意技は突き、押し。自身の特徴はパワーにあるとしながらも、それだけでは勝てないと述べている。課題として重心を低く突っ張る、まわしをとって前に出ることを挙げた。

 大嶽親方からの評価も、がむしゃらはいい、しかし雑はだめ、というものだ。

【エジプトメディアでのインタビュー 相撲との衝撃の出会いとは】
 日本では「外国人最速入幕」と各メディアから報じられている。英BBCや中東の「アルジャジーラ」など、海外大手メディアからの取材依頼も届いており、注目度は世界的に高いようだ。

 大砂嵐は、母国エジプトのメディア「Daily News EGYPT」のロングインタビューに対し、相撲との出会いを語っている。記事によると、15歳のときボディービルダーだった大砂嵐の体格の良さに、地元警察の相撲チームが目をつけ、誘ったのだという。

 彼の当時の体重は120kgで、対戦相手の体重はわずか70kg。余裕の大砂嵐は「私は彼を殺してしまいますよ」とコーチに告げたという。しかし、自分の半分のサイズしかない相手に投げ飛ばされた。相撲の技術が自分の常識を上回ることを体感し、相撲人生をスタートさせるきっかけとなったという。

 日本行きにあたって、父親からは「自分のやりたいことを追求せよ」と背中を押されたものの、母親には泣かれ、自分の未来の(プロの力士としての)姿を見てほしいと説得したとのことだ。

 発展途上の大砂嵐は引退後のプランについて訊かれると、「家に戻って家族と過ごし、エジプトに相撲の知識を広めたい」と語った。

Text by NewSphere 編集部