スーパーマリオは脳に良い?○○をつかさどる部分を大きくする効果とは

 「スーパーマリオ64」をプレイすると、空間進行、戦略計画、記憶形成、筋肉制御に関連する脳の領域が増大するとの研究が発表された。アルツハイマーなど、脳の特定の領域が萎縮する心的疾患の治療に役立つ可能性もあるという。

 マックスプランク人間発達研究所とセント・ヘドウィグ病院シャリテ大学医学部の研究員らが明らかにした。

【研究の概要】
 この研究は2ヶ月間にわたって、23人の若年成人に「スーパーマリオ64」を毎日30分ずつプレイさせ、MRI(磁気共鳴画像)で脳を測定。ゲームをしなかったグループと比較する方法で行われた。

 結果、ゲームをした被験者は、空間進行や戦略計画を司る3つの領域(右海馬、右前頭前皮質、小脳)において、記憶力のよさと関連する「灰白質」が増大したという。

 大きな脳が賢いことを意味するかどうかについてはさまざまな見解があるが、脳のある領域のサイズは重要だと研究者は語っている。

【空間能力を必要とする3Dゲームであることが影響か?】
 さらに興味深いことは、特にゲームを楽しんだ被験者において灰白質の増加がより多くみられたことだとライフハッカーは報じた。

 同サイトのコメント欄には、「3Dゲームでも、ストリートファイターのほうがよいのでは」「今日のゲームのほとんどは、3Dか3D風の環境があることはよいこと」などの意見が寄せられている。

【「テトリス」ゲームがPTSD治療によいとする新たな研究も】
 ゲームが医療に貢献する可能性はマリオだけのものではない。「テトリス」ゲームをすれば、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の最たる症状である「フラッシュバック」などの心理的な症状を軽減する可能性があるとの研究が、英国心理学会の年次大会で発表された。

 以前にも「テトリス」ゲームがPTSD治療によいとの研究が発表されていた。

 「live science」によると、オックスフォード大学の研究者らは、テトリスの視覚空間の演習がフラッシュバックにかかわる心的イメージの形成を阻止すると仮定したという。今後もテトリスが、記憶が長期間保存された後でもトラウマに苦しむ人を助けるか、研究を続けている。

 ただ研究者らは、関連するメカニズムはまだ不明で、現実のシナリオで人間に有用かはわからないとしている。

Text by NewSphere 編集部