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時代遅れの風営法を利用した迫害?海外メディア『ダンス禁止のクラブ』への見解とは

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時代遅れの風営法を利用した迫害?海外メディア『ダンス禁止のクラブ』への見解とは

 新宿、六本木、大阪――「眠らない」夜の街に異変が起きているという。「クラブ」が次々と廃業に追い込まれ、残っている店に足を運んでも「ダンス禁止」との摩訶不思議な張り紙がされている。踊れないクラブとは、これいかに――?

 「カフカの世界並に不条理な表裏が存在する日本でも、極めつけの「不思議」」はなぜ起こったのか。そして、このままでいいのか――? 海外紙が疑問を突き付けた。

【有名無実の「風営法」の存在】
 実は、日本のダンス界では、長いことある法律が「棚ざらし」にされてきた。風営法だ。戦後間もない1948年に制定された「風営法」によれば、ダンスホールや飲食店で「客にダンスをさせること」は、「風俗営業」にあたり、そのため、営業には公安委員会の許可が必要とされる。この要件も、ホールの面積(60㎡以上)など、条件がかなり細かい上に、許可にこぎつけたとしても、「午前1時以降の営業は禁止」という二段構えの厳しさだ。

 当時の背景にあったのは、戦前のダンスホールが売買春の交渉の場として利用されたことや、「男女がからだを密着させる」行為が、当時の日本においては「みだら」とされた道徳意識だったという。

 ジャパン・タイムズは、これが、戦後の風紀の乱れを取り締まるための、GHQ主導で制定されたものであること、音楽演奏にバンドが必須だった当時は60㎡以上のホール面積という規定が妥当だったとしても、小型の電子機器でいくらでも大音量の音楽が流せる現在にはそぐわないことなどを上げ、時代遅れだと切って捨てている。

 しかも、同紙が指摘するように、密室状態が当たり前のカラオケなども含め、居酒屋だろうと、バーだろうと、パチンコだろうと、いかにその場で男女が身を寄せ合おうとも、24時間営業が認められる一方で、「ダンス」が加わると、営業時間が厳しく制限されるのはいかにも奇妙だ。

 ただし、この法律は長年、適用されないままだった。深夜以降をかきいれ時とするクラブの「特性」ゆえに、無許可営業の店も多かったし、当然のことながら誰もが当たりまえに「踊って」いた。風営法によって規制されていることすら、知らない人が多かっただろう。警察当局は、それを黙認し続けていたのだ。誰も、風営法の存在に疑問を抱かないまま、月日は経った。

 ところが2011年を境に、事情が一変する。突然、警察が風営法を厳格適用し、摘発を強化し始めたのだ。

【突然の取り締まり強化 廃業、転業に追い込まれる有名クラブが続出】
 警察の突然の変節を招いたものは、一説には、2010年に大阪のクラブで起きた、大学生の死亡事故とも、住宅地と隣接するクラブの近隣住民からの苦情が多数警察に寄せられたこととも、薬物蔓延の温床になっているという事情だとも言われている。どの団体がどのように訊ねても警察から明確な回答は得られず、実際のところは、不明のままだ。

 ナンバー・ワン・シンブンでは、日本における最大の同性愛者コミュニティである新宿2丁目において最も摘発が厳しい現状から、反同性愛者的な締め付けではないのかと憶測している。ただし、同紙によれば、当の2丁目界隈にはそうした迫害意識はないようだ。むしろ、低い雑居ビルが林立する同地域を、2020年の東京オリンピックを目標に、「六本木ヒルズ」的な整然とした街並みに生まれ変わらせようという当局の意図があるのでは、という見方が濃厚だという。

 いずれにしても、各地で摘発は継続され、大阪の「NOON」や東京六本木の「バニティ・レストラン・トウキョウ」など、名だたる老舗、有名クラブの経営者が逮捕され、その他の多くのクラブも廃業、転業に追い込まれ始めた。

【ダンス文化を守れ! 保護派の動き】
 こうした状況に対し、クラブ関係者やアーティスト、弁護士らが次々と立ち上がっているという。最大手は法改正を求める「Let’s Dance」で、呼びかけ人には湯川れいこ、坂本龍一らそうそうたるメンバーが揃い、何人もの弁護士を擁して署名活動などを展開している。今や、中学校の必修科目にもなっている「ダンス」は、憲法によって保障された、表現の自由であり、当然の権利だ、との主張だ。

 そのほか、当事者による「クラブとクラブカルチャーを守る会」が発足したり、大阪の老舗クラブ「NOON」が摘発されたことに反発して約100組のアーティストが集結し、NOON救済イベントが開催されたりもしている。この模様を記録したドキュメンタリー映画「SAVE THE CLUB NOON」は11月に公開される見込みだ。

 こうした事情を知った外国のアーティストからも、反対派に共鳴し、活動を広げる動きがあるという。

 しかし、今のところ、Let’s Danceが集めた16万を超える署名も、上記のいずれの運動も、警察の動きに歯止めをかけるどころか、むしろ逆効果とみられるほど、摘発の動きは強まる一方だという。今では、「タンゴ」など、社交系のダンスにまで摘発の手が伸び始め、日本に住む外国人から、自国の文化を「みだら」とこき下ろされることへの怒りの声まで上がり始めているようだ。

【ダンス規制はむしろ、日本の恥さらし?】
 ナンバー・ワン・シンブンは、仮に、ダンス規制がオリンピックに向けての下準備だとしたら、IOCは果たしてそれに感心するのかと疑問を投げかけている。むしろ、日本の文化度の低さをさらす結果に陥るのではないのかとの指摘だ。

 ジャパン・タイムズも、陳情書の形式で、日本の国会議員に「時代遅れの法律を撤廃」し、「世界でも一流のレストランが軒を連ね、通りに活気がみなぎり、最新のファッショントレンドが彩る」東京という街の「汚点」ともいうべきこの法律を改正し、深夜のクラブ経営を可能にするよう求めている。

 日本のクラブが本来の「踊る場所」に戻れるのはいつの日か。

(Newsphere編集部)

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