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海外投資家、1~5月に日本株を4.5兆円売り越し 構造改革の遅れでアベノミクスに幻滅か

  • カテゴリー:経済
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海外投資家、1~5月に日本株を4.5兆円売り越し 構造改革の遅れでアベノミクスに幻滅か

 海外投資家が日本株を手放す動きが顕著になっている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)によると、今年1~5月、海外勢は日本株を累計約4.5兆円売り越した。同紙やロイターは、「アベノミクスへの幻滅」が背景にあることを伝えている。

◆日本株から手を引く海外投資家
 WSJは、アベノミクスへの強い期待が失望に変わる中、海外投資家は近年にないペースで日本株を売っている、と語る。失望が大きくなる中、日本株を処分している、とも語り、撤退を印象づけている。ロイターも同様に、アベノミクスへの疑念のため、海外投資家は日本株から手を引くよう駆り立てられている、と語る。不安定な経済によりアベノミクスへの幻滅が募る中、海外投資家は日本株から手を引きつつある、と語っている。

 両メディアは、海外投資家が今年、日本株を大きく売り越しているデータを挙げている。WSJは、QUICK(日本経済新聞社グループの金融情報サービス会社)が提供する東京証券取引所のデータによるものとして、今年1~5月、海外勢は日本株を4.5兆円売り越した、と伝えている。少なくとも2003年以降のどの年の同じ時期よりも、規模の大きな集団脱出だ、と同紙は語っている。ロイターによるとこれは現物株式の売り越しで、前年同期の約2.83兆円の買い越しからのはっきりした転換だ、と語っている。

 類例のデータを挙げるならば、2015年度、海外投資家は日本株を約5.1兆円売り越した(日経新聞、産経ニュース)。年度ベースで売り越したのは、「リーマン・ショック」の起きた2008年度以来だった。年度ベースの売り越し額としては、「ブラックマンデー」のあった1987年度に次ぐものである。

◆アベノミクスへの失望広がる
 WSJは、アベノミクスへの失望が、海外投資家の売りの一因になっているとの見方を示した。売りの一部に関しては、世界経済の成長についての不安、特に今年初めの中国経済の急減速への懸念によって駆り立てられたものだが、多くの海外投資家は、アベノミクスへの失望の高まりについて指摘した、とWSJは語る。

 アベノミクスは(公約の)持続的な成長を実現していない、とWSJは語る。日銀の2%の物価上昇率目標、構造改革を含めて、日本の政策立案者は明言した目標の達成に真剣に打ち込んでいるのか、疑いを持っている者もいる、としている。

 スイスのあるプライベート・バンクでは、日銀が4月の金融政策決定会合で(金融政策を現状維持し)追加措置を取らなかったことから、日銀の目標達成への決意に不安を抱き、日本株への投資比率を削減するに至ったそうだ。WSJは、日銀の金融政策の影響力は弱まりつつあるように見える、とも語っている。

 また、構造改革が進んでいないことがアベノミクスの問題という見方は、ロイターでも伝えられている。長期投資に重点を置く海外ファンドは、日本政府・日銀が3年以上、大規模な金融・財政刺激策を続けたにもかかわらず、日本を20年間に及ぶ景気停滞から脱出させることができないのではないかと疑っており、弱気筋になっている、とロイターは語る。「日本で達成されつつある構造改革がないため、日本株に見切りをつけた長期型投資家はたくさんいる」とJPモルガンの株式デリバティブ担当エグゼクティブディレクターのナイトウ・ミチロウ氏はロイターに語っている。

◆海外投資家の撤退が株安の一因に
 日本株をめぐる海外投資家の見方は、大きく変わったようである。ロイターによれば、バンクオブアメリカ・メリルリンチのファンドマネジャー対象の最新の調査では、4月の日本株への投資配分は、アベノミクス開始以来、最低を記録したそうである。より多くの証券会社の見方が弱気になっている、とロイターは語る。

 WSJは、今でも日本株を買い続けている投資家たちでさえ、アベノミクスの初期に享受した「楽なもうけ」は過去のものだと強調している、と伝える。

「多くの投資家は、日本株が長期投資対象として優良ではないと考えている」と、JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト重見吉徳氏はロイターに語っている。

 WSJは、海外投資家が日本株から脱出していることが、今年に入って日経平均株価が12%低下するのに力を貸している、と語っている。

◆投資家の間でアベノミクスへの信頼が揺らいでいるとの調査結果
 アベノミクスへの不信が増していることは、意識調査の結果にも表れている。ただしこちらは、海外投資家よりも日本の投資家が中心だ。

 この調査は、オルタナティブ投資マネジメント協会(AIMA)の日本支部AIMA Japanが、シンガポールのヘッジファンド調査会社ユーリカヘッジに委託して行ったもので、米ニュース専門放送局CNBCと、日経新聞の英文ニュースメディア「日経アジアンレビュー」(NAR)がその結果を紹介している。回答者は、日本株への投資を事業内容に含む88企業で、調査は2~5月に実施された(NAR)。CNBCによると、回答企業の約72%は日本を拠点とし、その他はシンガポール、アメリカなどだった。回答企業の大半の本社は日本にあるという。

 CNBCは、ファンドマネジャーたちがアベノミクスへの信頼を失っていることが新たな調査で分かった、と語り、NARは、投資家の間でアベノミクスへの信頼が揺らいでいる、と語った。CNBCは、日本のファンドマネジャーはアベノミクスに悲観的になっている、とも語っている。

 この調査で明らかに示されたのは、より多くの人がアベノミクスとその有効性について、悲観的な見方をするようになっていることだと、ユーリカヘッジの岩永聡会長が語ったとNARは伝えた。

◆昨年と大きく変わった経済の見通し
 以下は調査結果からの抜粋である。前年の調査と比べて、見方が大きく変わっていることが示されている。

 アベノミクスについて、成功しているとしたのは回答者のわずか16%だった。これは昨年の調査では72%で、大きく後退した(NAR)。部分的に成功しているとの回答が76%だった(CNBC)。今後についてはあまり楽観視されておらず、アベノミクスには今後の可能性が少ししかないとの回答が約44%で、9%は全くないと答えた(CNBC)。

 今年、日本経済はプラス成長するかという質問に対して、するとの回答が約40%だったが、昨年は93%だった(CNBC)。51%はゼロ成長を予想しているという。

 株価については、日経平均の今年の終値は15001~17500円に収まるとの予想が46%だった。2万円台に達すると予想したのはわずか5%だったが、昨年は85%だった(NAR)。この結果について、NARは、安倍首相の経済政策への失望の広がりを際立たせている、と語った。

(田所秀徳)

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