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「予想外」大企業・製造業の景況感改善に海外メディア驚き 本格投資に期待の声も

  • カテゴリー:経済
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「予想外」大企業・製造業の景況感改善に海外メディア驚き 本格投資に期待の声も

 日銀が6月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、最も注目される「大企業・製造業」で3四半期ぶりに改善した。景気について期待を抱かせる調査結果となり、海外メディアの報道では「予想外」「予想以上」との言葉が並んだ。けれども、最近発表された他の経済指標を根拠として、景気回復の勢いを疑うアナリストも多いようだ。

◆「大企業・製造業は、予想以上に楽観的」
 今回の短観は、DIや設備投資計画など、さまざまな項目でアナリストの予想を上回っていたことをロイターは報じている。5月の鉱工業生産指数など最近発表されたいくつかの経済指標から、景気回復はまだ本格的ではないと感じているアナリストは少なくなかったようだ。

 大企業・製造業のDIは、前回3月調査のプラス12から、プラス15へと上昇した。エコノミストらは横ばいを予想していたが、これを上回った、とブルームバーグは伝える。大企業・製造業は、予想以上に楽観的だということが示された、と米ニュース専門放送局CNBCは語る。シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは、「工業生産、輸出などの具体的なデータがさえないにもかかわらず、好調な収益のおかげで景況感が改善した」と分析している(ブルームバーグ)。高収益には円安が大きく寄与しただろう。

 大企業・非製造業のDIはプラス19からプラス23に上昇し、市場予想を上回った(ロイター)。ブルームバーグによると、大企業のDIは製造業、非製造業ともに、消費税増税前の2014年3月以来の水準まで回復したという。フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、大企業のDIから、中国の景気減速と、工業生産の弱含みの数字にもかかわらず、日本経済は景気加速を続けていることが示される、としている。

◆大企業がいよいよ本格的な設備投資に乗り出す?
 大企業は今年度、設備投資の大幅増額を計画していることに、多くのメディアが注目している。日本企業は、日本経済の先行きを悲観して、数十年間、巨額の現金を抱え込んでいたが、いよいよ投資を始めようとしていることが短観によって示された、とロイターは語る。

 大企業・製造業では、今年度の年度計画の設備投資額が前年度比18.7%増に及ぶが、これは日本経済にとって有望なしるしだとFT紙は語る。大企業・全産業では、前年度比9.3%増であるが、これは前回調査の段階では1.2%減とされていた(ブルームバーグ)。この3ヶ月の間に企業心理は大きく動いたようだ。ロイターによると、アナリスト予想では5.2%増とされていたが、それも上回った。

 日銀によると、もしも今年度、実際に前年度比9.3%増が達成されれば、2006年度以来最大の伸び率ということになるという(ロイター)。アナリストらは、4~6月期に予想されるGDP成長率の低下も、もし企業が投資計画をやり遂げるならば、7~12月の間に急速に反転するかもしれない、と語っているという。

 ただし、ブルームバーグによると、英調査会社キャピタル・エコノミクスのマーセル・シーリアント氏が、企業は4~6月期にはより楽観的になる傾向があるため、設備投資計画の大幅改善を深読みしないよう忠告したという。

◆短観の業況判断を取るか、鉱工業生産指数などの経済指標を取るか
 ブルームバーグは、日本経済について暗めの判断を、どちらかといえば多めに伝えた。4~6月期のGDP成長率について、前期よりも成長が鈍るとの予想や、0%成長になるとの予想や、マイナス成長になるとのエコノミスト予想を伝えた。短観については、景気回復が減速している徴候に反する有望なしるしだ、としている。

 対照的にFT紙は、日銀の最も信頼のおける短観が、一部の暗い予想を打ち破ったとし、日本の景気は4~6月期に好転したと語っている。これらのメディアの論調の違いは、短観に対する評価の軽重から来ていると思われる。FT紙は、短観は大規模な、四半期ごとの企業心理の調査で、ほぼ100%の回答率であり、そのため、日本の経済の調子の最良の指標の一つとなっている、と短観を重く評価している。

 ただしそのFT紙でも、鉱工業生産指数などの経済指標からすると、4~6月期のGDP成長率は弱いものとなりそうだ、と述べる。先述のシーリアント氏の「それらのデータは、日本経済の成長ペースについて、短観よりも信頼できる指標を提供する傾向がある」という発言を伝えている。

◆大企業と中堅・中小企業で景況感に大きな差
 短観での、大企業と中堅・中小企業との景況感の差について、多くのメディアが言及している。FT紙は、大企業・全産業のDIはプラス19だったが、中小企業・全産業はプラス2だったと伝え、円安と株価上昇から恩恵を受けている大企業と、中堅・中小企業の間には、今なお大きな差がある、としている。

 上述のシティグループ証券の村嶋氏は、大企業・製造業のDIよりもダイレクトに景気を反映する中堅・中小企業のDIは「何ら良くなっていない」と語ったと、ブルームバーグで伝えられている。

 CNBCは、今年度の中小企業の設備投資の年度計画は、前年度比15.7%減であることを伝えている。ただしこれでも、ロイターの調査による予想値16.3%減よりはましだったとしている。

◆訪日外国人増加で、一部サービス業はホクホク
 そんな中でも、中小企業・非製造業のうち宿泊・飲食サービスのDIは、相当するデータが利用可能になった2004年以来初めてプラスとなったという(ロイター)。ロイターはこれを、安倍首相の景気刺激策の恩恵が拡大している表れだとしている。円安により訪日外国人が増えたことが、大きく寄与しているからだろう。

 もちろん、好調は中小企業だけに限らない。「訪日外国人の増加が、小売業者、飲食店、宿泊施設の景況感を明るくしたように思える」と日本総研調査部の菊地秀朗研究員はロイターに語っている。

(田所秀徳)

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