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西武、10年ぶりの再上場は順調 海外各紙は“慎重な用意のおかげ”と分析

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西武、10年ぶりの再上場は順調 海外各紙は“慎重な用意のおかげ”と分析

 西武ホールディングスが、23日、東証一部に上場した。前身の西武鉄道が、有価証券報告書の虚偽記載問題で、2004年に上場廃止となって以来、およそ10年ぶりの上場となる。

 上場に先立つ株式公開では、売り出し価格は1600円に設定されていた。上場初日の取引では、同じく1600円の初値が付き、終値は約11%高の1770円だった。これにより西武の時価総額は6055億円となる。私鉄としては国内5番目の規模だ。

【海外メディアが分析する、好調な滑り出しの理由とは?】
 大手企業の株式公開・東証一部上場では、このところ不振が続いていた。3月18日に上場した日立マクセルは、その日の終値が公開価格より14%安だった。翌日のジャパンディスプレイ上場も同様で、終値は公開価格の15%安だった。

 西武の上場についても、楽観視できないとする見方が、投資家のあいだでは少なからずあった。にもかかわらず、順調なスタートを切ったことを、海外メディアは軽い驚きをもって報じ、それぞれ理由を分析している。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、公開価格が低めに抑えられていたことに注目する。当初、株式公開の目論見書では、2300円という価格が提示されていた。その後、募集の仮条件は1600~1800円と設定された。機関投資家などの需要調査に基づき、最終的に、売り出し価格は仮条件下限の1600円と決まった。このため、上場初日から値下がりする危険は最小限度に抑えられていた、とのアナリストのコメントを同紙は紹介している。

 ブルームバーグは、西武のホテル事業に、今後さらなる成長が期待できることを要因として挙げている。円安傾向を受け、現在、海外から日本への旅行者数は順調に伸びている。日本政府観光局によると、3月に日本を訪れた外国人旅行者数は、推計およそ105万人で、単月としては過去最大となった。さらに、2020年には東京オリンピックが控えている。西武は東京に土地を多く所有するため、ホテル事業のみならず、不動産事業においても収益が見込まれるという。記事はこれらを、投資家にとっての好材料として示している。

【西武株は今後順調に値上がりするのか?】
 ロイターは、西武株が順調な滑り出しを見せたことを、むしろいぶかるような論調である。安倍首相の景気刺激策に対する信頼は弱まりつつあり、日本経済の再生の見通しについても疑念が高まっている。日本の株に対して、投資家の関心は弱まっている、と記事は語る。

 また、西武株には大きなもうけが期待できない事情があることを、アナリストの見解として記事は伝えている。株価が2000円に達するやいなや、西武株の35.5%を保有する最大株主のサーベラス・キャピタル・マネジメントが、保有株を売りに出す可能性がある。そのため、株価が順調に上がらないのではないか、という推測があるのだ。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、この問題に関して、まずサーベラスには、株式公開前からの株主として、6ヶ月間の「ロックアップ」が定められていると伝える。この間、株式公開の幹事会社との合意なしに、保有する株を売却することができない。この期間終了後、サーベラスが保有する株を売り払う可能性はあるが、株価の急激な下落を防ぐため、おそらく保有株数を徐々に減らしていくだろう、とする専門家の意見を紹介している。

【「日本式経営VS海外ファンド」とも言われた、西武とサーベラスの緊張関係】
 サーベラスとのいきさつは、今回の上場を語る上で外せないもので、各記事とも取り上げている。

 サーベラスはアメリカのプライベートエクイティ(非上場株)ファンドであり、比較的、息の長い投資が特徴である。西武に対しては、2006年に約1000億円を出資した。しかし近年、経営方針や役員人事、株式公開の方針などで、両社に対立があることが表面化していた。両社の関係は、広く日本側経営陣と海外ファンドのあいだで見られる緊張を、象徴するものとなっていた、とロイターは述べる。

 とりわけ、株式公開については、出資額と、投資年月に見合う十分なリターンを回収するため、より高額での売り出しをサーベラスは求めていた。今回、条件によっては、保有する35.5%のうち15.5%を売却するつもりであったが、この価格では十分な利益が見込めないとして、見送ることになった。

 サーベラスは、今後、経営に介入しないと西武側に伝えているという。現在、対立は鎮静化した格好で、西武の後藤高志社長は、サーベラスとは「信頼関係」を築いた、と語っているという。

※本文中「週末投資家」は「日本株に対して関心を弱めている投資家」の誤りでした。
お詫びして訂正いたします。(4/24)

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(Newsphere編集部)

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