ヨガや瞑想は細胞レベルでストレスを解消する 太極拳や気功も

Xubayr Mayo / Shutterstock.com

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 ヨガや瞑想といった精神的な世界観を有する運動はただ人をリラックスさせるだけのものではないようだ。最新の研究によるとこれらの運動をすることによって、ストレスと関係のある細胞の働きが抑制されるのだという。

◆ヨガや瞑想の細胞レベルの効能
 科学誌「Frontiers in Immunology」に掲載された論文で、ヨガや瞑想といった行為が細胞にどのような変化をもたらすかが検証された。研究者は846人のデータを含む瞑想、ヨガ、気功、太極拳などの運動による生物学的影響を調査した18個の既出論文を分析した。そこで明らかとなったのは、こうした運動は慢性的ストレスの要因となる炎症反応を促進するような遺伝子や遺伝的経路を抑制するということだ。ヨガや瞑想などといった運動を定期的に行なう者には、こうした炎症反応が低下し、関連する病気のリスクが低くなるということが発見されたのである。

◆異なるタイプの運動でも、同様の効果
 論文で検証されたヨガや瞑想といった精神的な世界観を有する運動はそれぞれ独特なものだ。実際に座って行なう瞑想と、太極拳は全く異なる運動だといえる。しかし論文では、検証された運動すべてが細胞に同様な影響を与えたという。

 米ニュース雑誌TIMEのインタビューに答えた論文の主執筆者のイバンナ・ビリク氏は、ヨガや瞑想、気功、太極拳といった異なるタイプの運動が遺伝子レベルでは全て類似した効果を持っていることに驚きを示している。またビリク氏は似たような効果は健康的な食事の摂取など他のライフスタイルを変えることによっても得られるという。ただヨガや瞑想におけるように細胞への影響までは調べられておらず、さらに広い分野での調査が求められている。

◆より良い人生へ
 論文が我々に教えてくれるのは、ヨガや瞑想は単なる一時的なリラックス効果以上のものがあるということだ。ビリク氏はこうした運動は「私たちのDNAを私たちが幸福で健康な道に進むように脳へと働きかけてくれるものだ」と述べている。また彼女は、遺伝した細胞は変化しないものではなく、DNAの働きは人々がコントロールできるものだとも強調している。ヨガや瞑想はリラックス効果だけでなく、人間の潜在力を開花させるものとも捉えているようだ。

 彼女はこうも言っている。「毎日健康的な習慣を選ぶことによって、我々は健康にとって有益な遺伝子活動パターンを創りあげることができる」

 ヨガや瞑想といった精神的世界観をもった運動には、人が思っている以上の効果があるようだ。こうした運動を生活に取り入れることは、現代人は細胞レベルでより良い人生を送ることに繋がるのかもしれない。

Text by Yota Ozawa