就任式を迎えたパク・クネ韓国大統領に、日本各紙の評価は?

 韓国で、朴槿恵(パク・クネ)新大統領(61)の就任式が25日に行われた。朴氏は同国初の女性大統領であり、初の親子2代にわたる大統領でもある。朴氏は朴正熙(パクチョンヒ)元大統領の長女だ。
 朴大統領の就任に際し、日本各紙(朝日・読売・産経)は、主に国内課題・対日関係・対北朝鮮関係の3点について、それぞれの視点から評価と提言を行なっている。

 まず国内課題に関しては、経済成長と格差是正をどう実現するかという点、日本以上に進む少子高齢化にどう対応するかという点が指摘されている。
 実際、昨年の経済成長率は2%台に落ち込んでいる。輸出主導モデルで財閥は発展したものの、国内の雇用創出につながってはおらず、所得格差が広がっていると読売・朝日両紙は論じている。朴大統領は、父が成し遂げた「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長にあやかり、「第2の奇跡」を起こすと述べた。読売新聞は、中小企業の競争力強化などにより、“雇用と内需の拡大”を実現する必要があると提言している。
 急速に進む少子高齢化については、福祉政策が追いついていないと各紙は懸念している。産経新聞は、朴大統領の公約である「増税なき福祉」の実現はかなり困難だろうと指摘している。読売新聞は、“年金や医療保険制度の充実”を主張するにとどめた。

 上記の課題(特に高齢化問題)は、いずれも日本の課題と共通点が多い。こうした観点から、日本と協力できると産経新聞は主張する。ただし同紙は、協力の障害になりかねない、韓国の「品格を欠いた」行動を改めるよう強調している。具体的には、李明博前大統領の竹島上陸や天皇への謝罪要求、在韓日本大使館前の慰安婦記念像など「反日無罪」の行動などだ。同紙は韓国が経済的、文化的、政治的に国際社会で重要な位置を占めるようになったことを評価しつつ、だからこそ、日本に不満や批判ばかりをぶつける“国際的感覚に欠けている”行動は改めよ、という主張だ。
 朝日新聞は、「慎重」という朴大統領の人物評を評価。朴大統領が「親日派」とみられないようふるまうことは見越した上で、互いに刺激の応酬には陥らないよう求めた。

 対北朝鮮関係について、朴大統領は核放棄を求めて周辺国と連携し圧力をかけつつ、対話の可能性を残す方針のようだ。朝日新聞は「相互の信頼を積み重ねる」対話姿勢を評価する一方、読売・産経両紙は、この問題に関して中国への依存が高まることを懸念している。読売新聞は、貿易・観光などで韓中関係が緊密な事実を指摘しつつ、韓国の対中姿勢は、“日本の安全にも影響する問題”と注視する姿勢だ。産経新聞は、中国の領土問題に対する強硬姿勢や北の核開発への「黙認」など、より明確に脅威を指摘。韓国に対しては、中国に依存するのではなく、時には“中国を厳しく説得し、注文してもらいたい”と提言した。

 総じて、韓国に対しどのような課題と提言を論じるかは、日本を取り巻く課題をどう評価するかをあらわすものになったといえる。

Text by NewSphere 編集部