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石原都知事、国政へ―朝日・読売の疑問、産経の期待―

  • カテゴリー:社説比較
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 石原慎太郎氏は25日、東京都知事を辞職し、「たちあがれ日本」を母体に新党を結成し、次期衆院選に出馬すると表明した。次の衆院選にあたっては維新の会との連携を示唆した。
 石原氏は1968年に参院議員に初当選し、72年には衆院に転じて運輸相などを歴任。衆院は当選8回。95年、突然議員辞職を表明し、99年の都知事選に無所属で立候補して当選。2003,2007,2011年の選挙でも勝利し、任期は2015年4月までの予定だった。都知事が任期途中で辞職するのは初めて。
 各紙の賛否両論をまとめた。

 朝日新聞は、石原氏の言動に危うさを感じ、3つの疑問を提示した。
 第一に、石原氏の持論と新党の政策との関係をただした。石原氏が尖閣諸島の購入を表明したことにより、国がやむなく購入、結果として日中関係が悪化したことを糾弾。今でも持論を曲げずに、島への施設建設を主張する姿勢を批判した。さらに核兵器保有や徴兵制導入など過去の言動についても懸念している。
 第二に、日本維新の会と重要政策において方針が異なる点だ。原発維持を主張する石原氏と、2030年までの脱原発をうたう維新の会がどう連携するのか、注目している。
 第三に、任期途中での辞任を無責任と断じた、特に2020年の東京オリンピックを強硬に進めながら、放り出したと批判した。
 第一、第二の論点については、選挙にあたり確かに明確にすべき点だ。日中関係悪化の発端だという認識も海外紙の認識と同様であり、的を射た批判だといえる。

 読売新聞は、一歩引いた視点から論じており、石原氏の行動が、与野党の対立で閉塞感の漂う政界にどんな影響を与えるのか、注目している。現状の「決められない政治」へ国民の不満は高まっているのに対し、石原氏には国民から一定の期待があると評価している。とはいえ、国政の場で何を実現したいかは不明確で、具体的な戦略を語るべきと批判した。官僚制度の変革、憲法改正、尖閣諸島実効支配の強化、などは会見で語られたとはいえ、石原氏の持論に過ぎず新党の政策としては弱いと判断したようだ。維新の会とも原発・エネルギー政策のすり合わせができていないことを不安視している。
 あたかも、石原氏が橋下氏同様、「決める政治」を実現できるから支持が高いかのような書き方が気になるが、具体的な政策を語れという指摘はもっともである。我々も、「決める政治」という抽象的な言葉に惑わされず、新党が何を実現したいのか見極めて投票に望むべきだ。

 産経新聞は石原氏の出馬表明を評価した。他紙と異なり、石原氏の国政進出を機に憲法改正の必要性を訴える社説といえる。産経新聞自身の主張は明記されていないが、各党の改正案を、自衛隊・自衛権のあり方を明確にすべきという論点に絞って取り上げていることが象徴的だ。一貫して中国の脅威を説き、尖閣諸島を守る具体的行動を主張。石原都知事の尖閣購入宣言も、国有化につながったと評価しており、朝日新聞とは真逆の内容だ。
 また、東京五輪再招致など、石原氏の都知事としての積み残し課題も指摘したが、国旗国歌の指導徹底や道徳教育充実などの成果は「高い評価を得た」と好意的に取り上げている。
 民主党の内情は壊滅的であり、石原氏の新党へ合流する議員が相次ぐ可能性にも言及。野田首相には、憲法改正を軸にした早期の解散総選挙を求めた。
 財政赤字・消費増税・社会保障、原発・エネルギー、日中関係、復興など問題が山積する中、憲法改正を軸にした早期の総選挙を求める社説は、産経新聞の一貫した姿勢を表している。なお、他紙の世論調査では、次の選挙における争点は消費増税と社会保障改革、景気・雇用対策と答える国民が多い(憲法改正がそもそも選択肢に入っていないが)。

朝日新聞
石原新党―国政復帰を言うのなら(10月26日)

読売新聞
石原都知事辞任 国政復帰に何が期待できるか(10月26日)

産経新聞
石原新党 新憲法への流れ歓迎する 首相は年内解散を決断せよ(10月26日)

<参考リンク>
負け犬の遠吠え、または石原都知事とは何であったのか
(sionsuzukaze)

動乱日本の「旗手」は誰になるのか
(門田隆将)

石原都知事、電撃辞任 「国民の生活が第一」結成パーティーの日に
(田中龍作)

(Newsphere編集部)

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