手話ロボ、チアロボ、卓球ロボ… “純日本型”ロボット、「シーテック」海外報道の焦点に

 アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2014(シーテックジャパン)」が、10月7日から11日まで幕張メッセで開催されている。

 今年はソニーが出展を見送るなど、2000年の開催以来、出展企業数が過去最低を更新した。海外メディアは、日本の立ち位置の変化に言及し、今後の展望に期待を寄せている。

◆海外メディアが注目する卓球ロボット
 京都に本社を置くオムロン株式会社は、卓球台の端に設置する卓球ロボットを出展した。センサーで相手の動きや球速を計測して、球の軌道や速度を予測する。相手の打ちやすい球を返し、ラリーを続けることが目的だという。変化する状況に適応するようにデザインされていて、予測できない事態に対して対応を調整できるという点で、従来のロボットより“考えて”いることになる、とフォーブス誌は論じている。

 商品化の予定はなく、「ロボットが人間と関わり合う中で適切な対応をすることを実演した。工場や生産ラインでの活用を想定している」と、オムロン・技術知財本部の露口卓也氏はコメントした(デイリー・メール)。今後は、人とロボットがうまく付き合えるように、ロボットをより人間らしくしていくことが目標だという。

◆その他の出展
 NTTドコモはウェアラブルテクノロジーとして、心拍数をモニターするシャツを出展した。心臓発作のリスクの高い人や心臓疾患のある人の心電図を取ることもでき、ユーザーのスマホにデータを送信、クラウドにデータを保管する。

 東芝は“純日本型”手話ロボット「地平(ちひら)アイこ」を出展した。挨拶や日本の手話を使って交流することができる。同社は2020年までに技術を統合し、さらに社交的なロボットを作り出したいとしている。高齢者や認知症の患者のサポートが目的だ。

 村田製作所は、ジャイロセンサーを使用して球体の上でバランスを崩さずに踊る、チアリーダーロボットを紹介した。同社の技術者は、「バランス技術を駆使して、ロボット同士が衝突を回避している」と解説する。同様のジャイロセンサーは、デジカメ、カーナビにも使われており、最近では車のスリップを防ぐESCシステムにも活用されている。

◆「CEATEC JAPAN 2014」今後の展望
 WSJによると、CEATEC Japanはラスベガスで1月に開催されるInternational CES、ベルリンで毎年開催されるIFAなどの家電市に圧され気味だ。今年は業績不振に悩むソニーが、スマホを始めとする製品を9月のIFAで出展し、「『選択と集中』の一環」としてCEATECへの出展は見送っている。

 CEATEC JAPANの広報・PR担当、吉田俊氏は、今年の出展からは日本のエレクトロニクス産業の、部品や材料といったより収益の高い専門分野への移行がうかがえる、と話す(WSJ)。同氏はまた、「従来の家電市とは異なる、最先端技術を披露する企業の見本市となって欲しい」と、今後への期待を述べた。

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Text by NewSphere 編集部