“時代遅れ”日本マクドナルド、業績低迷の原因を海外メディア指摘

 マクドナルドの世界的な業績不振が話題になっている。7月末には中国の食のスキャンダルの影響を受け、さらに業績に打撃を受けることとなった。海外メディアはマクドナルドの抱える問題を報じた。

【期限切れ肉の影響続く】
 7月末、マクドナルドに納入する米食肉大手OSIグループの中国法人「上海福喜食品」で、賞味期限の切れた鶏肉を使っていたことが発覚した。問題の鶏肉はチキンマックナゲットをはじめとする8種類の商品に使用されていた。日本マクドナルドは鶏肉商品を販売中止し、タイ産の鶏肉に切り替えた。

 食のスキャンダルの影響を受けた影響もあり、日本マクドナルド株式会社は、2001年以降最大の前年比減収となった。同社の発表によると、既存店売上高は7月の17.4%減に続き、8月の25.1%減と急落した。客足は16.9%減り、客1人当たりの平均売り上げも8月には9.8%減となった。

 アジアでの業績不振は世界既存店売上高にも影響し、8月には3.7%減と2003年2月以降最大の減少となった(WSJ)。

【日本マクドナルドの業績不振】
 Stephen Harner氏はフォーブス誌にて、マクドナルドが日本市場の流行の変化についていけておらず、日本で最も成功しているファストフード店としての地位もここまでか、と論じている。過去5年にわたり、日本マクドナルドの収益は減少傾向にある。マクドナルド業績不振の原因は、食のスキャンダルだけではなく、さらに複雑かつ困難である、と日経の報道を紹介しながら同氏は指摘する。

 それによると、マーケティング施策に関して、アメリカ本社で意思決定がされ、日本での見解とニーズに隔たりや実行上の問題が生じ、その隔たりは商品開発にも障害となっているという。フォーブス誌は、マクドナルドは第一線に復帰する方法を模索しているが、時代遅れになっている、との見方を示した。

【“安かろう悪かろう”のイメージ】
 グローブ・アンド・メール紙は、マクドナルドにとって最大の懸念材料が、マクドナルドの商品イメージだと指摘する。消費者の“安かろう悪かろう”のイメージを払拭することができず、安さを売りにしてきた戦略がここにきて裏目にでているという。

 マクドナルドは、メニューの改良や、アメリカ国内での食のイベントなどを通じてブランドイメージの転換を図っている。グローバル最高ブランド責任者のKevin Newell氏は昨年、「積極的に自社イメージを確立していく。いままで周囲のイメージに振り回されすぎていた」とコメントしていた。

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Text by NewSphere 編集部