日本の“報・連・相”“飲み会”文化、海外から非効率化を招くとの声も

 言葉や文化の異なる日本で働くことは外国人にとって困難なことである。特に社内で信頼関係を築くのに重要となる労働倫理は、日本語を習得しただけでは身につかない。日本在住の外国人向けポータルサイト『ガイジンポット』では、日本の会社で働く際に大切な“報連相”(報告、連絡、相談)を解説している。

【日本の会社で働くカギとなる“報連相”】
 『ガイジンポット』では、日本の会社で期待されることは暗黙の了解であることが多く、レベルの高い日本語を習得している外国人だけでなく、ビジネスマナーの知識のない日本人新入社員にとっても日本の会社内で期待に応えることは難しいと論じている。その上で“報連相”の概念を知っておくことは重要だとした。

 仕事を任されたときに“報連相”の手順を追うことは、自分の任務を果たす能力を示し、同僚との信頼関係を築くきっかけになる。日本人と働くとき、会社や同僚との信頼関係を築くことは想像以上に重要なことで、その後の事業を大きく左右することになるという。

【社内で信頼関係を築くための概念】
 事業を任されたとき、定期的に上司に経過報告をすることが“報告”だ。『ガイジンポット』では、実際に自分の上司の立場に立って考えてみることを勧めている。必要なことを言われる前に察することは日本の会社で高く評価され、成功への第一歩となると論じた。

 “連絡”では同僚を始めとする、事業関係者への“根回し”をする。これも他の人の立場に立って考えてみれば常識的なことで、あらかじめ同僚の意見を知っておくことで事業を円滑に進行する基盤となる。自分では思いつかなかった発想やアドバイスを得られることもあると指摘した。

 “相談”とは、先輩や仕事のできる同僚にアドバイスや評価を求めることだ。自分が気付かなかった欠陥を指摘、また経験豊富な同僚に知恵を借りるきっかけとなる。協力を仰ぐことでチーム精神を養い、同僚との関係を向上させるという。事業がグループでの取り組みとなり、連帯責任の意識が生まれる。

【“報連相”は職場の非効率化を招く】
 非常に役に立つ知識だと評価する意見がある一方で、職場の非効率化を招いていると指摘する声も上がった。

・こういった考えが職場の非効率化につながることもあり、見直されるべき点もあるのでは。
・報告のレポートばかりに時間がかかってしまい、実際に事業を進める時間がない。報連相の本質を見失わずに、負担にならない程度の簡素な報告、誰に連絡するのか、何を相談するのかを決めてから行動することによって時間節約につながる。
・社内全員にすべて報告するのではなく、事業ごとにそれぞれのグループ内で報連相を実行すべき。

 大手ソーシャルニュースサイト『レディット』では、“飲み会”も信頼関係を築く場であるという意見が上がった。

・終業後に飲みに行く文化には馴染めなそう。
・終業後の付き合いをしないというのはキャリアアップのためにはならないのでは。
・“乾杯”に参加することによって、他の人と同じようにグループの一員であることを証明する。
・酔っぱらってカラオケに行ってから上司との関係が良くなった。

 また“報連相”については、どこの国のホワイトカラーにも当てはまる概念で、特に今のゆとり世代は知っておくべきという指摘もあった。

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Text by NewSphere 編集部