孫社長、米4位のTモバイル買収へ? 海外紙が野望に注目

 通信大手ソフトバンクは12日、10~12月期の決算を発表した。Apple iPhone 5Sの好調で売上高は1.96兆円へと倍増(1994年の上場時から100倍)、営業利益は2091.6億円(3.3%増)でNTTドコモやKDDIに迫るなど好調であった。孫正義社長はさらに、米国3位の無線通信プロバイダーである子会社・スプリント社に4位のTモバイル社を買収させる計画を、諦めていないことを示唆した。孫社長 は今後、Tモバイルの67%を所有しているドイツテレコムと交渉に入る模様だ。

【米国市場の競争活発化を主張】
 スプリントは、業界1位・2位のベライゾンワイヤレスとAT&Tに、かなり水をあけられていた。孫CEOは、このままではスプリント独力で対抗することは「夢のまた夢」と評している。一方Tモバイルは、(他社より乗換時の)早期解約手数料の負担などの価格攻勢で巻き返しを図っているが、アナリストらによると長続きはしそうにないとのことだ(ニュースサイト・クオーツより)。

 だがブルームバーグによると、孫CEOとスプリントのダン・ヘッセCEOが3日、買収について米国の規制当局と会談したところ、「大変懐疑的」な反応を受けた。2011年にAT&TのTモバイル買収に待ったをかけた司法省も、Tモバイルの存在は競争上重要だとの考えを表明している。米当局としては、国内の主要競争者数が最低4つは必要だと考えているとのことだ。それどころかスプリント内部でさえ、買収には否定的な意見が出ているという。

 しかし孫社長は、米国市場はベライゾンワイヤレスとAT&Tが実質2社で牛耳っているため競争が乏しく、米国ネットワークは高価で遅く「世界クラスではない」と、合併の正当性を主張している。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、スプリントは今年、投資を倍増させてネットワーク接続速度を13倍に上げる計画であるという。

【実はスプリントは自力でやっていける?】
 スプリントは10~12月期に10.4億ドルの損失を計上しているものの、前年同期の13.2億ドルより改善している。また同社は正味69,000人の加入者を流出させてしまったが、これも前期の535,000人や前年の243,000人よりは大幅に改善した。ブルームバーグは、業績改善によって、かえって合併による大手への対抗の必要性が薄れてしまったことを示唆する。

 孫社長は、「私は3位や2位に甘んじていることはできません。それが私の個性です」と述べている。各紙は、孫社長が在日韓国人家庭の生まれで差別されて育ち、300年間の継続成長や「圧倒的ナンバーワン」を目標に掲げているなどと、上昇志向の強さを示唆する記述をしている。

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Text by NewSphere 編集部